調査情報デジタル

TBSが1958年に創刊した情報誌「調査情報」が、デジタル版の定期購読マガジンとしてリ…

調査情報デジタル

TBSが1958年に創刊した情報誌「調査情報」が、デジタル版の定期購読マガジンとしてリニューアル。テレビ、メディアに関する多彩な論考と情報を掲載。2024年5月末日をもって定期購読マガジン(月200円)は廃刊し、6月から無料化(毎週末配信)します。バックナンバーも変わらず無料。

マガジン

  • 定期購読マガジン「調査情報デジタル」

    TBSが1958年に創刊した情報誌「調査情報」が、デジタル版の定期購読マガジンとしてリニューアル。テレビ、メディアに関する多彩な論考と情報を掲載。最新号のみ有料(200円)ですが、バックナンバーは常に無料でお読みいただけます。なお、2024年5月末日をもって定期購読マガジンは廃刊し、6月から完全無料(毎週末配信)へ移行予定。

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記事一覧

12月号 ラインナップ

『調査情報デジタル』は60年以上の歴史を刻んだ『調査情報』の休刊にともない、2021年4月よりwebマガジンとして新たなスタートを切りました。メディア論やメディアリテ…

2022年の放送界

音 好宏(上智大学教授)  2022年の放送界を振り返る時期になった。  この1年を象徴する出来事として、まず思い浮かぶのは、何といっても、2月のロシア軍によるウクラ…

戦争に対峙する日本のジャーナリズム

福田 充(日本大学危機管理学部教授) 「私たちの戦争」の時代のジャーナリズム ロシアによるウクライナへの一方的侵攻によるロシア・ウクライナ戦争は、世界各国を間接…

「データ」で見る元首相の銃撃死と国葬 未熟さ示したテレビ・ジャーナリズム

水島 宏明(上智大学教授) はじめに 2022年、日本の政治と社会を大きく揺るがしたのが、参議院選挙の最終盤で起きた安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件だった。  賛否が激…

メディアとナッジ

竹林 正樹(青森大学客員教授)  ナッジ(nudge)は、元々は「そっと後押しする」「ひじで軽くつつく」を意味する英語です。ここでは「選択の自由を確保しながら、金銭的…

「見えない」生活困窮者-どこに居て、なぜ可視化されないのか?

後藤 広史(立教大学教授)  日本社会では、2000年前後から格差に関する議論が盛んになされるようになりました。そしてその数年後には、議論の中心は格差から貧困問題へ…

12月号 ラインナップ

12月号 ラインナップ

『調査情報デジタル』は60年以上の歴史を刻んだ『調査情報』の休刊にともない、2021年4月よりwebマガジンとして新たなスタートを切りました。メディア論やメディアリテラシー、テレビや社会に関連する論考等を中心に活動を続けております。2022年12月5日配信のラインナップをお知らせいたします。

【2022年の放送界】  ウクライナ戦争、安倍元首相銃撃、旧統一教会問題などの出来事や、広告市場の変化、

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2022年の放送界

2022年の放送界

音 好宏(上智大学教授)

 2022年の放送界を振り返る時期になった。

 この1年を象徴する出来事として、まず思い浮かぶのは、何といっても、2月のロシア軍によるウクライナ侵攻だろう。ロシア軍は、一気にウクライナ全土で空爆。首都キーウに向け軍を進めた。

 ウクライナは、第二次大戦以降、戦場となったことのない土地であり、長らく平和な市民の暮らしが営まれてきた生活空間が、突然、軍事侵攻で破壊される

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戦争に対峙する日本のジャーナリズム

戦争に対峙する日本のジャーナリズム

福田 充(日本大学危機管理学部教授)

「私たちの戦争」の時代のジャーナリズム ロシアによるウクライナへの一方的侵攻によるロシア・ウクライナ戦争は、世界各国を間接的に巻き込みながら長期化する様相を呈している。私たち市民はテレビや新聞、ネット、SNSの情報でこの戦争の状況を知り、メディア報道における解説を参考にしながら解釈している。

 それゆえに私たちの戦争に関する脳内の疑似環境は、接触している

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「データ」で見る元首相の銃撃死と国葬 未熟さ示したテレビ・ジャーナリズム

「データ」で見る元首相の銃撃死と国葬 未熟さ示したテレビ・ジャーナリズム

水島 宏明(上智大学教授)

はじめに 2022年、日本の政治と社会を大きく揺るがしたのが、参議院選挙の最終盤で起きた安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件だった。

 賛否が激しく分かれるなかで政府が「国葬」を実施したが、2022参院選、イギリスで行われたエリサベス女王の国葬、安倍元首相の国葬という一連の出来事でのテレビ放送の「データ」を使って、テレビ・ジャーナリズムの現在点を示してみたいと思う。筆者はテ

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メディアとナッジ

メディアとナッジ

竹林 正樹(青森大学客員教授)

 ナッジ(nudge)は、元々は「そっと後押しする」「ひじで軽くつつく」を意味する英語です。ここでは「選択の自由を確保しながら、金銭的インセンティブを使わずに行動を促す手法¹」という意味で使います。

 2017年にナッジ提唱者のR.セイラー教授(米国)がノーベル経済学賞を受賞したこともあり、世界中でナッジが注目されるようになりました。なぜナッジで人を動かすことが

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「見えない」生活困窮者-どこに居て、なぜ可視化されないのか?

「見えない」生活困窮者-どこに居て、なぜ可視化されないのか?

後藤 広史(立教大学教授)

 日本社会では、2000年前後から格差に関する議論が盛んになされるようになりました。そしてその数年後には、議論の中心は格差から貧困問題へと移りました。この間、日本の相対的貧困率は、多少の上下があったものの高止まりしており(図1参照)、直近(2018年)では15.4%と、国民の約7人に1人が貧困状態にあることが明らかになっています¹。

 しかしながら、おそらく多くの人

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