記事一覧
戦争に対峙する日本のジャーナリズム
福田 充(日本大学危機管理学部教授)
「私たちの戦争」の時代のジャーナリズム ロシアによるウクライナへの一方的侵攻によるロシア・ウクライナ戦争は、世界各国を間接的に巻き込みながら長期化する様相を呈している。私たち市民はテレビや新聞、ネット、SNSの情報でこの戦争の状況を知り、メディア報道における解説を参考にしながら解釈している。
それゆえに私たちの戦争に関する脳内の疑似環境は、接触している
「データ」で見る元首相の銃撃死と国葬 未熟さ示したテレビ・ジャーナリズム
水島 宏明(上智大学教授)
はじめに 2022年、日本の政治と社会を大きく揺るがしたのが、参議院選挙の最終盤で起きた安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件だった。
賛否が激しく分かれるなかで政府が「国葬」を実施したが、2022参院選、イギリスで行われたエリサベス女王の国葬、安倍元首相の国葬という一連の出来事でのテレビ放送の「データ」を使って、テレビ・ジャーナリズムの現在点を示してみたいと思う。筆者はテ