調査情報デジタル

1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版(TBSメディア総研発…

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1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版(TBSメディア総研発行)で、テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。本年6月、原則土曜日午前中に公開の週刊マガジンにリニューアル。同時に完全無料化され、最新記事や過去分もすべて無料でお読みいただけます。

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    「調査情報デジタル」にどんな記事があるのか簡単に知りたいという方のために「アクセスランキング」「編集部オススメ記事10選」「バックナンバー記事まとめ」を用意しました。こちらからご覧ください。

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記事一覧

カスタマーハラスメントの現状と今後の課題~「カスハラ三重苦」からの脱却

島田 恭子(予防医学者・保健学博士) カスタマーハラスメントとは 読んでいるだけで気分の悪くなるようなコメントが目に飛び込んできます。筆者らが分析を手掛けた、カ…

<シリーズ SDGsの実践者たち> 第36回 パリオリンピック™・パラリンピックが取り組んだ「持続可能性」とは(後編)

「調査情報デジタル」編集部 二酸化炭素排出量を削減する「デジタル化」 パリ2024大会では、持続可能性のある大会運営を目指して、これまでになかった新たな取り組みが行…

アクセスランキング(2024年10月1日現在)

アクセスランキングトップ10 過去1年で最も読まれた記事をランキング形式でご紹介します。ランキングの記事タイトルをクリックしていただければ該当記事にアクセスできま…

<シリーズ SDGsの実践者たち> 第35回 パリオリンピック™・パラリンピックが取り組んだ「持続可能性」とは(前編)

「調査情報デジタル」編集部 二酸化炭素の排出量を半分以下に パリ2024オリンピック・パラリンピックは、2016年のリオデジャネイロ大会以来の有観客での開催となった。7…

データからみえる今日の世相~廃炉は続くよどこまでも~

江利川 滋(TBSマーケティング局)  この原稿を書いているのが2024年9月の後半ですが、東京では日中の気温が30℃を超える日がまだ継続中。  思えば、今年の夏は熱中…

御嶽山噴火災害から10年~気象庁の判断めぐる裁判は今も継続中~

山﨑裕一(SBC信越放送報道部 記者) 戦後最悪の火山災害 2014年9月27日。秋晴れの絶好の行楽日和の週末だった。休日で出かけようとしていた矢先、テレビの速報…

視聴者の声~敷居が高い、とは?

浜崎 由佳(TBSテレビ カスタマーサクセス室長)  一つの慣用句について、一週間のうちに2度のご指摘をいただきました。  こちらは『Nスタ』へのご意見。ご指摘の…

派閥解消でゲームチェンジの自民党総裁選~“カオス”選挙の行方を左右するものとは~

後藤俊広(TBSテレビ報道局 解説委員) 候補者乱立で予測困難に「正直言って今回はどうなるか本当に読みづらい」  今月初旬、私は旧知の自民党関係者と1時間ばかり話を…

能登半島地震にみる「自覚無きメディアスクラム」~人命にも影響の被災地渋滞を助長か~

宮本 南吉(北國新聞社 編集局主幹) メディアスクラムの「もう一つの層」 能登半島地震の被災地で起きた現実を通し、「メディアスクラム」の問題を「二つの層」に分けて…

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給食無償化の課題とこれからの学校給食~すべての子どもが安心して食べられる社会へ

鳫 咲子(跡見学園女子大学教授) はじめに コロナ危機後、食材費高騰の中で、子どもの食の格差が拡大している。この格差を小さくする役割が学校給食にはある。給食無償…

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放送界の先人たち~横澤彪氏

放送人の会とは 一般社団法人「放送人の会」は、放送局、プロダクションなどの枠を超え、番組制作に携わる人、携わった人、放送メディア、放送文化に関心をもつ人が、個…

ある戦場記者のもがき~「豚野郎」そして「ヒラメとカレイ」~

須賀川拓(「news23」専属ジャーナリスト) 豚野郎 「さっさと現場にいけ、豚野郎!」  X上(マスク氏による買収前だったので、当時はTwitter)でこんな内容のメッセー…

データからみえる今日の世相~暑い、でも、泳がない~

江利川 滋(TBSマーケティング局)  猛暑やら大雨やらで連日大変な天気が続く夏のこの頃。  気象庁の「気候変動監視レポート2023」によると、全国的に猛暑日や熱帯夜…

ネット時代にテレビ・新聞の遅れを露呈させた都知事選~放送データで見る選挙報道分析

水島宏明(ジャーナリスト・上智大学文学部新聞学科教授) はじめに 現職の小池百合子知事が三選を果たした東京都知事選の投開票日からもう1か月あまりになる。現職の小…

オーバーツーリズムへの対応が持続可能な観光地域づくりに向けたカギとなる~我々は有効な解決策を見出せるか~

東 徹(立教大学観光学部教授) コロナ禍から立ち直りつつある日本観光だが 日本の観光は、コロナ禍による「インバウンド・ロス」から急速に立ち直りつつある。昨年(202…

「線状降水帯」が広く知られるきっかけ~「広島土砂災害」から10年~

岩永 哲(RCC中国放送 ウェザーセンター気象予報士・記者) 「先ほど気象庁は『線状降水帯発生情報』を発表しました。災害の危険度が急激に高まっています…」 「き…

カスタマーハラスメントの現状と今後の課題~「カスハラ三重苦」からの脱却

島田 恭子(予防医学者・保健学博士) カスタマーハラスメントとは 読んでいるだけで気分の悪くなるようなコメントが目に飛び込んできます。筆者らが分析を手掛けた、カスタマーハラスメント実態調査(労働組合UAゼンセン、2024年)から引用したものです。  カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)とは、人と接する仕事、いわゆる対人関係を伴う業種(小売りなどのサービス業、市役所や学校教育機関、医療介護福祉業など)において、顧客に相当する立場の者から、対応者である従業員に対して行われ

<シリーズ SDGsの実践者たち> 第36回 パリオリンピック™・パラリンピックが取り組んだ「持続可能性」とは(後編)

「調査情報デジタル」編集部 二酸化炭素排出量を削減する「デジタル化」 パリ2024大会では、持続可能性のある大会運営を目指して、これまでになかった新たな取り組みが行われた。会場の95%を既存や仮設の施設で対応し、ペットボトル飲料の販売や使い捨てプラスチックの持ち込みを禁止したことが、二酸化炭素の排出やごみの削減に大きく寄与したのは前編でお伝えした通りだ。  他にも画期的とも言える取り組みがあった。それは、オリンピックとパラリンピックに関するパンフレットからチケットにいたる

アクセスランキング(2024年10月1日現在)

アクセスランキングトップ10 過去1年で最も読まれた記事をランキング形式でご紹介します。ランキングの記事タイトルをクリックしていただければ該当記事にアクセスできます。最新トレンドや読者の興味関心の参考に、ぜひご覧ください。  いかがでしたでしょうか?この記事では、過去1年のアクセスランキングトップ10をご紹介しました。毎月更新されるランキングをチェックして、最新のトレンドや人気記事をお見逃しなく。 この記事に関するご意見等は下記にお寄せ下さい。 chousa@tbs-mr

<シリーズ SDGsの実践者たち> 第35回 パリオリンピック™・パラリンピックが取り組んだ「持続可能性」とは(前編)

「調査情報デジタル」編集部 二酸化炭素の排出量を半分以下に パリ2024オリンピック・パラリンピックは、2016年のリオデジャネイロ大会以来の有観客での開催となった。7月26日から17日間開催されたオリンピックは史上最高の約956万枚、8月28日から12日間開催されたパラリンピックは2012年のロンドン大会に次ぐ史上2位の約258万枚のチケットを販売。両大会とも会場は大きな盛り上がりを見せて、組織委員会は大会が「成功」したと総括した。  パリ2024大会は、競技面以外でも

データからみえる今日の世相~廃炉は続くよどこまでも~

江利川 滋(TBSマーケティング局)  この原稿を書いているのが2024年9月の後半ですが、東京では日中の気温が30℃を超える日がまだ継続中。  思えば、今年の夏は熱中症予防のため、積極的にエアコン等を使って暑さをしのいできました。  筆者が子どもの頃の半世紀前は、そもそもエアコンがぜいたく品で家になく、「冷房に当たりすぎると体に悪い」とか「電気代がバカにならない」なども言われていました。  しかし、資源エネルギー庁のウェブサイトによれば、「今どきの省エネタイプのエアコン

御嶽山噴火災害から10年~気象庁の判断めぐる裁判は今も継続中~

山﨑裕一(SBC信越放送報道部 記者) 戦後最悪の火山災害 2014年9月27日。秋晴れの絶好の行楽日和の週末だった。休日で出かけようとしていた矢先、テレビの速報が流れた。  「長野・岐阜県境の御嶽山が噴火」  御嶽山(標高3.067m)と聞き、まず思い浮かんだのが信仰の山ということだ。白装束に身を包んだ御嶽教の信者が頂きを目指す姿が脳裏に浮かんだ。独立峰であり長野県木曽地方のシンボルでもある。だが私に登山経験はなく、それ以上の知識はなかった。  すぐに現地に向けて出

視聴者の声~敷居が高い、とは?

浜崎 由佳(TBSテレビ カスタマーサクセス室長)  一つの慣用句について、一週間のうちに2度のご指摘をいただきました。  こちらは『Nスタ』へのご意見。ご指摘の通り「敷居が高い」は本来「義理を欠いていたり、知られると恥ずかしいことがあったりして、その人のところには行きにくい」という意味です。しかし最近は「近寄りがたい、ハードルが高い」という意味で使う人も多くなっていて、辞書にも載るようになってきています。  三省堂国語辞典でも・・・②近寄りにくい。③気軽に体験できない

派閥解消でゲームチェンジの自民党総裁選~“カオス”選挙の行方を左右するものとは~

後藤俊広(TBSテレビ報道局 解説委員) 候補者乱立で予測困難に「正直言って今回はどうなるか本当に読みづらい」  今月初旬、私は旧知の自民党関係者と1時間ばかり話をして総裁選の雰囲気や情勢を聞いてみた。この人物は昭和の終わり頃から現在に至るまで自民党の総裁選を初めとする権力闘争を直に見聞きしてきた“生き字引き”的な存在だがその当人が口にしたのがこの発言だ。確かに今回は異例尽くしの総裁選と言える。  最も異例なのは立候補者の人数だ。9月12日の告示日を前に続々と候補者たち

能登半島地震にみる「自覚無きメディアスクラム」~人命にも影響の被災地渋滞を助長か~

宮本 南吉(北國新聞社 編集局主幹) メディアスクラムの「もう一つの層」 能登半島地震の被災地で起きた現実を通し、「メディアスクラム」の問題を「二つの層」に分けて考えてみたい。  「一つ目の層」は文字通りのメディアスクラム、つまり「集団的加熱取材」の問題だ。これについては、胸に手を当てて考えれば、大なり小なり「罪悪感」を覚えるメディア関係者もいるかもしれない。  一方、この文章で取り上げる「もう一つの層」は、取材している本人が「自分もメディアスクラムに加担している当事者

給食無償化の課題とこれからの学校給食~すべての子どもが安心して食べられる社会へ

鳫 咲子(跡見学園女子大学教授) はじめに コロナ危機後、食材費高騰の中で、子どもの食の格差が拡大している。この格差を小さくする役割が学校給食にはある。給食無償化には、全ての子どもが給食費を気にせずに、安心して給食を食べられるというメリットがある。  本稿では、学校給食の現状を踏まえつつ、無償化の課題とこれからの学校給食のあり方について考える。 給食の歴史 今から70年前の1954年に学校給食法は制定された。法律の根拠がなかった戦前にも、学校に弁当を持参できない子ども、

放送界の先人たち~横澤彪氏

放送人の会とは 一般社団法人「放送人の会」は、放送局、プロダクションなどの枠を超え、番組制作に携わる人、携わった人、放送メディア、放送文化に関心をもつ人が、個人として参加している団体です。  「放送人の会」では「放送人の証言」として先達のインタビューを映像として収録しており、デジタルアーカイブプロジェクトとしての企画を進めています。既に30人の証言をYouTubeにパイロット版としてアップしています。  「調査情報デジタル」でも証言を紹介すべく、テキスト版抄録を公開して

ある戦場記者のもがき~「豚野郎」そして「ヒラメとカレイ」~

須賀川拓(「news23」専属ジャーナリスト) 豚野郎 「さっさと現場にいけ、豚野郎!」  X上(マスク氏による買収前だったので、当時はTwitter)でこんな内容のメッセージが届いたのは、忘れもしない2023年10月8日の夜のこと。ガザを実効支配するハマスが、イスラエル側に越境攻撃をした日の翌日だった。  現地メディアやSNS、そして現地の知人や友人から送られてくる断片的な情報。境界沿いの村だけでなく、救助に駆けつけた民間人をも標的にした、あまりに凄惨な犯行に私は絶句

データからみえる今日の世相~暑い、でも、泳がない~

江利川 滋(TBSマーケティング局)  猛暑やら大雨やらで連日大変な天気が続く夏のこの頃。  気象庁の「気候変動監視レポート2023」によると、全国的に猛暑日や熱帯夜が増加しているとのこと。都市部では周辺地域より気温が高くなりがちで(ヒートアイランド現象)、東京ではこの100年で夏の平均気温が2.3℃も上がったそうです。  こんなに暑い夏には、冷たいプールで一泳ぎ。あるいは浜辺に繰り出して、海水浴を満喫するのも楽しそう。  しかし、50代半ばの筆者が我が身を振り返ると、

ネット時代にテレビ・新聞の遅れを露呈させた都知事選~放送データで見る選挙報道分析

水島宏明(ジャーナリスト・上智大学文学部新聞学科教授) はじめに 現職の小池百合子知事が三選を果たした東京都知事選の投開票日からもう1か月あまりになる。現職の小池氏と立憲民主党や共産党などが支援した前参議院議員の蓮舫氏との事実上の一騎打ちと見られていた今回の知事選。テレビや新聞などの主要メディアは、小池百合子氏、蓮舫氏、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏の4人を主要な候補と想定して、事前の記者会見などもセットした。  7月7日の七夕決戦。午後8時

オーバーツーリズムへの対応が持続可能な観光地域づくりに向けたカギとなる~我々は有効な解決策を見出せるか~

東 徹(立教大学観光学部教授) コロナ禍から立ち直りつつある日本観光だが 日本の観光は、コロナ禍による「インバウンド・ロス」から急速に立ち直りつつある。昨年(2023年)の訪日外客数は2507万人と、コロナ禍前の2019年(3188万人)の78.6%まで回復した。今年に入ってからも増加が続き、2~6月の訪日外客数は、いずれも2019年同月を上回っており(JNTO)、過去最高であった2019年を超える可能性も見えてきた。  しかしながら、その一方で、オーバーツーリズムが再び

「線状降水帯」が広く知られるきっかけ~「広島土砂災害」から10年~

岩永 哲(RCC中国放送 ウェザーセンター気象予報士・記者) 「先ほど気象庁は『線状降水帯発生情報』を発表しました。災害の危険度が急激に高まっています…」 「きょう夕方、気象庁は線状降水帯の“半日前”予測情報を発表しました。あす午前中から午後にかけて…」  今年も全国で大雨災害が相次いでいるが、最近は「線状降水帯」というフレーズが、多くの人の大雨に対する警戒意識を一段高める役割を果たすようになっている。報道現場でも「線状降水帯」関連の情報が出ると災害モードに切り替える局も