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坂野 剛崇(大阪経済大学 人間科学部教授) はじめに まずは想像してほしい。 警察の取調べ、裁判、服役…、想像できるものはいくつかあるだろう。 ではもう一つ想像してほしい。 思い浮かぶのは、犯罪をした身内の事件のテレビニュース、あるいは、新聞記事だろうか。それとも被害弁済のことだろうか。 令和5年版犯罪白書(法務総合研究所、2024)によれば、2022年に窃盗や傷害、殺人等の刑法犯で検挙された人は約17万人である。なかには天涯孤独という人もいるかもしれないが