視聴者の声~平和への願い
村田典子(TBSテレビ視聴者サービス部)
40度に届きそうな猛暑日が続いた今夏。電力逼迫、強く呼び掛けられる省エネ。普段はスーツ姿の「Nスタ」井上アナウンサーもネクタイをはずし、軽装で出演している。時にはさわやかなブルーのシャツ、時にはスポーティーなポロシャツ、「見ているこちらもその方が涼しく感じて良かった」と好評の声を多数いただいた。
暑さの中、関心を集めたのが、海辺の観光地として知られる千葉県勝浦市が実は他の関東地方に比べて涼しく、観測史上猛暑日を記録したことがないという話題。その理由を「ひるおび」で気象予報士が解説したところ「ネットで調べてもよくわからなかったことがとても分かりやすく理解でき勉強になった」と嬉しい感想をいただいた。
暑さと共に急カーブを描いたのが物価の上昇だ。スーパーの買い物ではお値打ちの野菜を探し、献立メニューを工夫する毎日・・・だからこそと「(野菜の)●●が半額に!今が買い時」という話題を消費者に嬉しいニュースとしてお伝えしたところ、「その裏で価格が下がって死活問題に陥り、困窮する農家がいることも忘れないで欲しい」という声もあった。
行動制限の無い夏休み、コロナ感染者は激増した。地域によっては「医療現場はこの3年間で一番厳しい。医療崩壊状態と言ってもいい。危機的な地方の実情、医療の現状をしっかり伝えて欲しい」という切実な訴えも届いた。
政治に関するご意見では「政治家が問題のある宗教団体のイベントに参加したとか、祝電を送ったとか、広告塔になって新たな被害者を生み出した事だけが問題なのではない。この国の政策に影響を及ぼしていたり、関わったりしていたら大変な問題ではないか」「マスコミが一定期間取り上げてこなかったことも問題です」政教分離に関しての追及を望む声は依然として多い。
8月に必ずお送りする終戦特番。今年は「NO WARプロジェクト つなぐ、つながるSP『戦争と嘘=フェイク』」というタイトルで先の戦争での日本におけるフェイクやプロパガンダについても振り返った。
「国家のウソが列挙されていて、戦争の側面が見えた良い番組だった。若い人たちにも説得力があった」
この他にも平日の帯番組では今年も「つなぐ、つながる」という企画を放送、視聴者の家族の戦争体験をSNSで共有してもらう企画も呼び掛けた。有り難いことに「ぜひ語り継ぎたい」と、貴重な体験談をお寄せ下さった方々もいらっしゃった。
それぞれのご意見には、「再び日本が戦争に突き進む事がないように」「教え子を二度と戦争に送り出しはしない」など、今年はウクライナが戦争のただ中にあることもあり、強い意志が感じられる言葉が並んだ。
広島と長崎の原爆の日、終戦の日。夏休みはテレビは勿論、読書等を通して子どもたちが戦争を考えるきっかけが幾つもある。「情報7daysニュースキャスター」には「放送時間が限られるなか、広島県知事の挨拶を(ほぼノーカットで)しっかり紹介したことが良かった」というご意見もあった。自身の経験も相まって、毎年この時期には特に子どもたちへ伝えることの大切さを考える。
子どもといえば、「Nスタ」のお天気コーナーや「CDTVライブライブ」などでおなじみのTBSの番組応援キャラクター、ピンクのBoonaちゃんは、子どもは勿論、社内エレベーターで一緒になると出演者も私たちも思わず笑顔になってしまう愛くるしさだ。「先日TBSでBoonaちゃんと一緒に写真を撮らせていただきました。Boonaちゃんの対応が本当に優しくて、とても嬉しかったです。良い思い出ができました。Boonaちゃんと付き添いのお姉さんにお礼を伝えて下さい」という嬉しい内容が届いた。
同じ頃、米国では、テレビでおなじみの着ぐるみキャラクターが黒人の幼い姉妹に酷い差別対応、母親がその様子をSNSにアップしたことで炎上し、全米が騒然となった。キャラクターが属する有名施設は謝罪を余儀なくされ、評判はガタ落ちとなった。
かねてからBoonaちゃんのホスピタリティに一目おいている私は知っている。Boonaちゃんが、他の子どもがワイワイ寄ってくる中、恥ずかしくて近寄って来られない子どもに対し、さりげなく近づいていき、その子どもの目線までおりてコミュニケーションをとることを。
人気の秘密はお得意のコミカルなダンスだけではないのだ。多様な人々に受け入れられ、ファンになってもらうという事は、そういった細やかな心配りができるということだ。そんなことを改めて思ったご意見だった。
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