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VUCAの時代からニューノーマルの時代へ~コロナ禍でわかった「デジタル後進国」日本の課題

【コロナ禍でわかった日本のデジタルの後進性。デジタルトランスフォーメーション(DX)とニューノーマル時代への備えは待ったなしだ。グーグル日本法人元代表の論考】

辻野晃一郎(アレックス株式会社代表/グーグル日本法人元代表)

失われた10年の振り返り

 この10年余で日本も世界も激変した。今や、いわゆるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の4社を合計した時価総額は700兆円に迫り、他にも完全復活を遂げたマイクロソフトや自動車の再定義を進めるテスラ、動画配信で急成長するネットフリックス、シェアリングの先鞭をつけたウーバー・テクノロジーズなどを加えるとこれらの時価総額合計は1,000兆円を超える。
 私は新卒で入社して20年余勤務したソニーを2006年に退社し翌年グーグルに加わったが、グーグルの第一印象は「こんな企業には日本の名だたる企業が束になっても到底かなわない」というものだった。同時に、当時ソニーの将来に対して抱いていた強い危機意識は、日本の製造業、産業界、さらには国家に対する危機意識へと一気に高まった。このままでは、世界における日本の産業競争力は弱体化を続け、国家としての存在感すらあっという間に薄まっていくのではないか、という底知れぬ恐怖感に襲われたことを覚えている。
 そしてその後の10年で、私がその時に感じたことが次々に現実になってきたように思える。実際、上記GAFAの時価総額だけをみても、日本の国家予算100兆円やGDP 550兆円をはるかに超え、マイクロソフトを加えた5社で比較すると、東証に上場するすべての企業の時価総額を足し合わせても及ばない。まさに一国の存在感を超え、日本企業が束になってもかなわない状況が現実化した。
 ソニーもソニーグループと名を変え、ひところの苦境を脱して最高業績を記録するまでに復活しているが、その時価総額は13兆円ほどだ。日本企業で時価総額トップのトヨタ自動車、2位のキーエンス、3位のソニーグループ、4位のソフトバンクグループを加えたトップ4社の総額は70兆円程度に過ぎない。
 戦後の高度成長期を経て、米国に次ぐ世界第2位の経済大国に上り詰めた日本がGDPにおいて中国に抜かれたのが2010年、東日本大震災に見舞われたのが翌2011年だが、リーマンショックがあった2008年から2011年あたりにかけては何か大きな時代の変曲点だったような気がする。このころから、世界は大きな変化の波に晒されてVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)とも呼ばれる混迷の時代を迎えるに至り、その中であたかも坂道を転がり落ちるかのような日本の凋落が目立つようになった。
(*時価総額とドル円レートは執筆時点の2021年6月21日の数字で計算)

【引き続き、「コロナパンデミックが意味するもの」に続く】

VUCAの時代

 VUCAという言葉は、もともとは先の見通しが効かない戦況を表現する米国の軍隊用語が起源と聞く。変化が激しく不確実で複雑で曖昧という意味だ。実際、気候から国際情勢に至るまで、さまざまな大きな変化が世界同時多発的に連続して起きている。冒頭、この10年をごく簡単に振り返ったが、現代は「一年一昔」の時代といっても過言ではない。まさに人々はいまだかつてない激しい変化の大波に晒され続け、不安定で不確実な時代を生きている。
 このVUCAの時代を象徴する人物を敢えて一人挙げるとすればドナルド・トランプ氏だろう。「事実は小説よりも奇なり」というが、4年前に彼が米国の大統領になったこと自体、世界の多くの人々の常識や感覚からは信じられない出来事だった。そしてその後の4年間、この人物に世界は翻弄された。
 地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定から離脱し、冷戦中に旧ソ連時代のロシアと結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約を一方的に破棄した。中東ではエルサレムをイスラエルの首都と認定してパレスチナとの緊張を一気に高めたかと思えば、核合意を突然反故にしてイランを激怒させた。さらには、いきなり中国に対する貿易戦争を仕掛けてファーウェイを締め出すなど、米中間の露骨な覇権争いの幕を切って落とした。
 2020年11月の米国大統領選は、そのトランプ氏がもたらした混乱のクライマックスだったといえよう。民主党候補ジョー・バイデン氏に対する敗北を認めないトランプ氏に扇動された多数の暴徒が合衆国連邦議会議事堂を襲い5名もの死者が出るという前代未聞の事件が起き、米国民主主義の危機を世界に強く印象付けた。
 VUCAの時代を迎えるに至った根底には、明らかに資本主義に基づくグローバル経済の際限なき膨張があるが、飽くなき経済発展が人類にもたらした帰結を因数分解した上で特に5つの根本因子に注目しておきたい。①気候変動を伴う地球環境の変化、②2050年には100億に近づくという地球の人口爆発、③人生100年時代ともいわれる超高齢社会の到来、④中国の台頭と米中の覇権争い、⑤加速度を増し続ける技術革新だ。
 このどれもが今後の地球や人類の持続可能性に関わる大きなテーマだ。トランプ氏が在職中にやったことは時代の潮流に逆行するようなことが多かったが、いくら古き良き時代への回帰を望んでみても、その時代に戻ることはもう二度とできない。

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コロナパンデミックが意味するもの

 世界の混乱にさらに拍車を掛けるように、2019年の年末からCOVID-19と命名された感染力の強い新型コロナウイルスが突如出現し、このウイルスによる感染症は瞬く間に世界中をパンデミックの大混乱に陥れた。
 コロナパンデミックは、あたかも各国に同時に課された共通テストのようなもので、国によって成績に差が出た。日本は、欧米やブラジル、インドなどに比べると圧倒的に感染者数や死者数が少ないことを当初「日本モデル」と自画自賛する向きもあり、「ファクターX」などと日本人を特別視するような傾向もあった。
 しかし、日本政府による感染対策の実態は決して褒められたものではない。PCR検査体制の拡充はなかなか進まず、変異株の水際対策は甘く、医療の有事対応も不十分で北海道や大阪では医療崩壊を招き、ワクチンの確保と接種開始にも手間取った。緊急事態宣言を繰り返して国民に忍耐を強いるばかりで、有効な感染対策を打ち出すことが出来ないまま、結局ワクチン頼みの状況になっているのは、諸外国の対応と比較してもお粗末である。
 加えて、国民に対する科学的かつ定量的な説明が常に不十分だ。東京五輪の開催についても、中止や延期を求める声が多くあるにもかかわらず、開催が強行される理由や安全対策について国民が納得できるような説明は未だになされていない。
 多くの人々の命を奪い続け、経済に深刻なダメージを与え続けているこのコロナパンデミックを一刻も早く収束させることは、現在、世界の人々に共通した最優先の願いだが、一方でコロナは人々に多くの気付きをもたらすものにもなっている。
 中でも最大の気付きは、日本がデジタル後進国であり、コロナの感染抑止においてはそのことが大きな障害となった現実である。保健所による感染者の集計がファックスや電話で行われていたり、感染防止アプリのCOCOAが使い物にならなかったり、感染者情報を共有するHER-SYSやワクチンの配送・接種を管理するV-SYSに様々なトラブルが発生したりと惨憺たる状況に見舞われた。

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待ったなしのデジタルトランスフォーメーション

 そもそも、政府も企業も、デジタルシフトを進めてどんどん変わっていかねばならないという課題はもう20年越しのものであり今に始まった話ではない。これまでもいわゆる「IoTの利活用」などというテーマでの議論は官民で活発に行われて来たし本格的に変わるチャンスはいくらでもあった。特に2011年の東日本大震災においては、大量のデータ消失により基幹業務のクラウド移行などの動きが加速したが、結局社会全体の本格的なデジタルシフトにまでは至らなかった。課題を先送りにし続けてきた結果、今回のコロナでその付けが一気に回ってきたともいえよう。
 ところで、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉の定義を明確にしておきたい。DXの最初の提唱者といわれるスウェーデンの大学教授エリック・ストルターマン氏は「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義している。すなわち人々の体験価値を向上させる変化という定義だ。
 単なるデジタイゼーションやデジタライゼーションとは異なり、デジタルやIT等のテクノロジーによる世の中のパラダイムシフトや創造的破壊(ディスラプティブ・イノベーション)こそがDXの本質といえる。もちろん、DXにはいくつものレイヤーがあり、インターネット、クラウド、スマホ、SNSなどもDXを構成する基本レイヤーだが、テスラによる電気自動車や、アマゾンによるレジ無し店舗のアマゾン・ゴーなどは、ユーザーの体験価値を劇的に変えるDXの具体事例としてわかりやすいだろう。
 ここ20年ぐらいの間に、GAFAなどのいわゆるメガプラットフォーマーや後発組のテスラ、ウーバーなどはさまざまなDXを先導し、人々の体験価値を変え、世の中を大きく再定義してきた。その潮流は世界中を巻き込んでどんどん大きくなり、人々の日常生活や働き方、社会システム、産業構造、企業のビジネスモデル、都市のあり方など、ありとあらゆる分野に及んでいる。
 コロナが終息しても、コロナがなかったことにはならない。すなわち、コロナをきっかけに世の中はさらに次のステージに移行していく。それがニューノーマルという言葉が使われている意味だ。
 はからずもコロナによって日本はデジタル後進国であるという実態があらためて突き付けられたわけだから、今度こそ、そこから目を背けずに最先端のデジタル国家へと脱皮していかねばならない。これまで先送りにして来た国家のフルデジタル化に向けた諸課題に正面から向き合って課題解決に向け待ったなしで動き出す時だ。新しいことにチャレンジしてイノベーションを生み出す好機でもある。
 さすがに、政府も慌ててデジタル庁創設などを盛り込んだデジタル改革関連法を成立させた。しかし、果たして今の日本政府にうまく舵取りができるのか。ジョークのようだが、企業では「とにかく何でもいいからDXをやれ、時代はDXだ」などとわけもわからず現場に発破をかける経営者が少なくない。菅総理も似たようなものだろう。

もはや民主国家でも法治国家でもない日本

 「安倍一強」や「菅一存」などといわれる政治が長く続いているが、最近の日本の政治はもはや民主政治ですらない。選挙で勝った多数が数の力で少数をあからさまに無視するだけでなく、多数の意見でも一部の利害関係者の利益と相反する場合には後者を優先するのが当たり前になっている。説明責任を果たす姿勢も皆無だ。まさに東京五輪は分かりやすい事例だろう。
 モリカケサクラを例に挙げるまでもなく、傲慢で強引な政治姿勢が目立ち、隠蔽や改ざんが横行し、与党政治家や官僚による憲法違反や法令違反、脱法的な行為も常態化している。三権分立も半ば崩壊して検察も機能不全に陥っており、政治家の悪行が徹底的に指弾、追及されることもない。もはや法治国家としても風前の灯のような状態だ。
 デジタル改革に関しては、デジタル改革関連法の成立を巡って法案の内容に大量の記述ミスが見つかり、「拙速」「立法府の軽視」と野党から批判を受けた。さらには先日、デジタル改革担当大臣の特定企業に対する恫喝的な暴言が問題になった。追加情報によると、暴言の裏にはこの大臣が親密にしているベンチャー企業を特別扱いするような言動もあったといい、官製談合防止法違反の疑いもあるという。
 そもそも、役に立つのか立たないのかもわからないような五輪絡みのアプリを特定の御用企業数社に当初約73億円もの巨費を投じて委託しようとしていたこと自体が大問題だ。旧態依然とした官民馴れ合いのスタイルが何も変わっていないことを物語る。

デジタル民主主義の実践において先行する台湾

 そもそも代議制民主主義や間接民主制は、選挙で選んだ我々の代理人に我々の主張を代弁してもらうための仕組みとして生まれたものだ。インターネットもデジタルも存在しない遥か昔、民主主義の概念が誕生した頃に、直接民主制はあまりにも手間暇とコストが掛かり過ぎるので、多数を代弁する少数を選挙で選んで間接的に民意を反映させるという代議制が考案された。しかし、今の日本政治のように、その仕組みが機能不全に陥って政策に民意がまるで反映されない状況に直面すると、既にこの古い仕組みが限界を迎えていることを思い知らされる。民主政治の制度改革が必要だ。
 その点、隣の台湾は、デジタルを手段として活用した新しい民主政治のスタイルを創り上げることにおいて先行しているように見受けられる。その立役者がオードリー・タン氏だ。
 タン氏はもともと優れたソフトウェアエンジニアで、若いときからその天才的な才能を開花させて頭角を現し、ビジネスの世界で一定の成功を収めた。2016年、35歳のときに蔡英文総統に請われて台湾政府に入り、IT政策担当大臣(行政院IT政策担当政務委員)として活躍している。今回の新型コロナウイルス感染症に対しても、eマスク政策をはじめとする数々の感染対策をリードして多大な貢献を果たしたことは周知の通りで、世界的にも注目される存在となった。
 タン氏はトランスジェンダーであることをカミングアウトしており、履歴書の性別欄には「無」と書き込むという。あらゆることに関して壁を作ったり境界線を引いたりすることを嫌い、男女の壁だけでなく、vTaiwanやJoinと呼ばれるデジタルプラットフォームを立ち上げ、台湾政府内の縦割りの壁を取り去って横連携を強化し、さらには民間と台湾政府間の壁も取り去って官民連携で問題解決を図るオープン・ガバメントの実現に尽力している。eマスクのマスクマップ開発などにも、多くのシビックハッカー(政府が公開したデータを活用してアプリやサービスを開発する個人プログラマー)が協力している。
 タン氏は「デジタルは国境や権威というものを超えて、様々な人々の意見を広く集めることに優れている」と語るが、いわゆるWisdom of Crowds(民衆の叡智)の力をフルに引き出し、少数意見も丁寧に拾い上げてソーシャル・イノベーションを喚起しながら理想的なデジタル民主主義を追求し実践しようとしている。

ニューノーマルの時代に備える

 VUCAと分断の時代を象徴する人物をトランプ氏とするなら、ニューノーマルの時代の象徴はタン氏のような人物であって欲しいと強く願う。
 デジタルの本質や価値を熟知したタン氏が進めるデジタル民主主義のアプローチと、日本政府が拙速に進めるデジタル改革のアプローチは全く異なるものだ。タン氏の仕事は、既に存在する政府のさまざまな組織や官民がデジタルを用いて問題を共有し解決するための橋渡しやサポートで、デジタル庁のような縦割り組織のトップとして威張り散らすことではない。
 当然の話だが、デジタルは単なる道具や手段に過ぎない。そのポテンシャルを生かすも殺すも使う側の問題なのはいうまでもない。デジタルを活用した民主政治のあるべき姿とは、デジタルの力を使って、少数意見も含めた立場の異なる多様な人たちの意見や叡智を集めるところがスタート地点だ。
 階層や縦割りを排したフラットでオープン、かつカジュアルなコミュニケーションが必須となる。自分の意見は相手が誰であろうともしっかり発信し、同時に他人の意見にも謙虚に耳を傾ける。忖度など無用だ。お互いがコミュニケーションを通じてより良いアイデアや解決法を協力しながら模索し続ける姿勢を基本としたインクルージョン(多様な人たちを巻き込んで一体となり誰も取り残さないこと)のスタンスが欠かせない。
 あらゆる意思決定には常に裏付けとなるデータや科学的根拠が尊重され、意思決定プロセスの透明化や納税者への情報公開は当然の原則だ。権威や恫喝、強制や隠蔽、ましてや情報の改ざんや偽装などとは無縁のものでなければならない。今の日本政府の政治スタイルの延長線上にあるものではない。
 日本のデジタル改革を成功させるためには、誰もがネットで直接自由に発信できる時代にふさわしい「デジタル直接民主主義」を取り込んだ「一強」でも「一存」でもないオープン・ガバメントを目指すしかない。道半ばとはいえ、台湾はそれを先んじて実行しているベストプラクティスといえるだろう。「みんなのことをみんなで助け合う」というインクルージョンの意識を涵養して、政府と民間の信頼関係を深めながら、さまざまな社会問題に取り組んでいるスタイルには学びが多い。台湾がコロナ感染抑止に成功してきたのも、官民が協力して常により良い政治へのアップグレードを目指した地道な努力を積み重ねてきたからであって決して一朝一夕の成果ではない。
 日本でも、いわゆるデジタルネイティブ、ネットネイティブなどと呼ばれるデジタルリテラシーやネットリテラシーの高い世代から優秀な技術者や起業家、元気な新興企業が少なからず生まれている。新しい時代を作るのは常に若者たちだ。政治の世界においても、日本の古い体質とは無縁な若い世代から、ニューノーマルの時代を牽引する前向きなエネルギーが結集することに期待したい。

<執筆者略歴>
辻野晃一郎(つじの・こういちろう)
福岡県生まれ。アレックス株式会社代表/グーグル日本法人元代表。1984年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長兼CEOを務める。2012年4月~2017年3月早稲田大学商学学術院客員教授、2013年10月~2016年8月 内閣府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)規制制度改革分科会メンバー、2016年6月~2018年9月 神奈川県ME-BYOサミット神奈川実行委員会アドバイザリーメンバー。2017年8月より株式会社ウェザーニューズ社外取締役。著書に、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(2010年 新潮社、2013年 新潮文庫)、『成功体験はいらない』(2014年 PHPビジネス新書)、『リーダーになる勇気』(2016年 日本実業出版社)、『「出る杭」は伸ばせ!なぜ日本からグーグルは生まれないのか?』(2016年 文藝春秋社)、『日本再興のカギを握る「ソニーのDNA」』(2018年 講談社)。

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