菊 薫子(TBSテレビ カスタマーサクセス部)
この春から「サンデーモーニング」(日曜あさ8時)の司会が代わりました。「サンデーモーニング」の顔と言えば関口宏さんでした。1987年から実に37年間メインキャスターを務め続けましたが、2023年度でその役目を果たし終え、新しい番組の顔となったのが膳場貴子さんです。
膳場さんは8年間務めた土曜夕方の「報道特集」から日曜朝枠へのお引越しです。
“番組の顔”が80代男性から40代女性に。この大きな変化に対して視聴者からどのような声が届いているでしょうか。
このような男性シニア層からの好意的意見に混ざって、膳場さんの同世代をはじめ女性陣からの応援の声もたくさん届いています。
新司会者への応援が多数届く中、その一方で司会者が代わっただけで・・・という声も。
番組のリニューアルに際して視聴者からの賛否が寄せられるのは当然。それでも多くの方が、これから膳場貴子さんの色が番組に出てくるのを楽しみにしているようです。
今回のリニューアルに関して、「ラヴィット!」を引き合いに出してきたご意見もありました。
そういえばそうだったなと、「ラヴィット!」放送開始当時のご意見データを遡ってみました。「ラヴィット!」(月曜~金曜あさ8時)が始まったのは3年前、2021年春、まさにコロナ禍。
ニュースを扱わない新番組「ラヴィット!」に、視聴者センターにも厳しい声がたくさん届いていました。
「私はサラリーマンです。平日の朝からの放送内容は、常識的にトピックスニュースでしょう」「今日は週末かと勘違いするような番組内容でした。朝のニュース番組がなかなか視聴率が稼げないからと朝からバラエティー化するのはどうかと思う」「この時間は老人が見ていると思いますが、子ども番組みたいで軽すぎる」「若いエンタメ芸能人たちの内輪だけでやっている、クラス内コンパみたいだね」などなど。
視聴者センターは「ラヴィット!」制作現場に対して、厳しいご意見も温かい応援の言葉も届け続けました。そしてあれから3年経ちますが、放送開始当初のような時事ニュースを取り扱わないことへの批判は届かなくなっています。
それどころか当時コロナ禍で辛かった日々のなかで「ラヴィット!」の笑いが救いだったというご意見、苦しいことがあったとき「ラヴィット!」の存在に癒された、などのお礼の声が増えてきました。私たち視聴者センターでは「『ラヴィット!』のほっこりネタ」と呼んでいるのですが、日々社内用に発行しているご意見日報では定番になりつつあるほどです。
何か新しいことを始めるとき、視聴者センターには賛否様々なご意見が届きます。当たり前ですがコンテンツ作りに正解はありません。
視聴者のご意見を現場に共有する際、視聴者センターとしてはいつも「こういう声もありますよ」という思いで全て現場に届けています。「こうするべきですよ」ではなく。視聴者のご意見による多数決で決まるものでも、決めるものでもないからです。ですが多種多様な視聴者の声は、作り手が知っておくべき大切な視点の数々です。
視聴者センターでは、オンエアを見ながら“ああ、ここは視聴者の声を反映させたんだなあ”とか、“これ批判は多いけど粘ってやってるな”とか、にやりとすることもしばしば。
現場からすると耳が痛いご意見も共有してくるのが視聴者センターなのかもしれませんが、オペレーター一同、現場をサポートしたい一心で日々業務に励んでいます。
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