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視聴者の声~最初は厳しいご意見が多くても・・・

【「サンデーモーニング」の司会者が代わり、賛否それぞれ多くの声が寄せられた】

菊 薫子(TBSテレビ カスタマーサクセス部)

 この春から「サンデーモーニング」(日曜あさ8時)の司会が代わりました。「サンデーモーニング」の顔と言えば関口宏さんでした。1987年から実に37年間メインキャスターを務め続けましたが、2023年度でその役目を果たし終え、新しい番組の顔となったのが膳場貴子さんです。

 膳場さんは8年間務めた土曜夕方の「報道特集」から日曜朝枠へのお引越しです。

 “番組の顔”が80代男性から40代女性に。この大きな変化に対して視聴者からどのような声が届いているでしょうか。

「新しいキャスターの膳場貴子さんはきれいで品があり、番組の進行が優しく安定感がありすばらしいです。今まで『報道特集』で頑張っていらしたニュースキャスターとして存じ上げていましたが、日曜朝の看板番組で最高なパフォーマンスを発揮してほしいです(男性・70歳以上)」

「膳場貴子さん就任おめでとう。毎週この番組を見ています。コメンテーター諸氏も魅力的です。マスコミとしての役割を忘れず、報道の正道を歩んでもらいたいです。頑張れ!膳場さん。期待しています。スタッフの方々ご苦労さまです(男性・70歳以上)」

「良い感じ。膳場貴子さんへ。今まではめったに見なかった『サンデーモーニング』も、膳場さんに代わってからは見ていますよ。膳場さんの持つ柔らかさで、コメンテーターのトゲトゲがなくなって、すんなり入ってきます。やはり貴方は笑顔のほうが良いです(男性・60代)」

 このような男性シニア層からの好意的意見に混ざって、膳場さんの同世代をはじめ女性陣からの応援の声もたくさん届いています。

「膳場貴子さんが『報道特集』を担当されていた頃からすてきな方だと思っていましたが、『サンデーモーニング』がとっても良い番組になったと思います。膳場さんは働く女性の憧れです。これからも頑張ってくださいね!日曜の朝を楽しみにしています(女性・40代)」

「膳場貴子さんカラーがとても良い。番組開始当初から見ています。膳場さんにチェンジして、正しい報道番組というのが気持ち良いです。日曜日の朝らしく、ゆったりと、かつ鋭さもある進行が、とても心地良いです(女性・50代)」

「すてきです!頑張って膳場貴子さん、サクラ色の衣装がとってもきれいでした。以前から大好きでしたが、独自の視点でコメンテーターの意見をどんどん引き出して進めてほしいです(女性・60代)」

 新司会者への応援が多数届く中、その一方で司会者が代わっただけで・・・という声も。

「膳場貴子さんについて。『報道特集』のように厳しく進行してくれると思っていたので残念です。関口宏さんにはできなかったことが膳場さんにはできると思うので期待しています。権力に迎合せず頑張ってもらいたいです(男性・60代)」

「膳場貴子さん司会で、初回の滑り出しとしては無難な番組だったと思います。ただ、MCとしてもう少し膳場さんが前に出て意見を言ってもいいような気がします。膳場さんの独自の視線で切り込めるコーナーなども作ってほしいです(男性・50代)」

「今日から膳場貴子さんが司会で新たなスタートを切りました。BGMやスタジオセット、ゲストなど今までのイメージを一新してほしかったです。ゲストやレギュラーにもっと若い人を起用して、幅広い年齢層の意見が聞けるようにしてほしいです(男性・50代)」

 番組のリニューアルに際して視聴者からの賛否が寄せられるのは当然。それでも多くの方が、これから膳場貴子さんの色が番組に出てくるのを楽しみにしているようです。

 今回のリニューアルに関して、「ラヴィット!」を引き合いに出してきたご意見もありました。

「司会者はさておき、番組としては面白かったので毎週楽しみにして見ていました。この春、司会が膳場貴子さんに代わって一か月様子を見ました。『ラヴィット!』も最初は色々と叩かれましたけど、今は安定して面白くなったように、『サンデーモーニング』もそうなってほしいです(男性・50代)」

 そういえばそうだったなと、「ラヴィット!」放送開始当時のご意見データを遡ってみました。「ラヴィット!」(月曜~金曜あさ8時)が始まったのは3年前、2021年春、まさにコロナ禍。

 ニュースを扱わない新番組「ラヴィット!」に、視聴者センターにも厳しい声がたくさん届いていました。

 「私はサラリーマンです。平日の朝からの放送内容は、常識的にトピックスニュースでしょう」「今日は週末かと勘違いするような番組内容でした。朝のニュース番組がなかなか視聴率が稼げないからと朝からバラエティー化するのはどうかと思う」「この時間は老人が見ていると思いますが、子ども番組みたいで軽すぎる」「若いエンタメ芸能人たちの内輪だけでやっている、クラス内コンパみたいだね」などなど。

 視聴者センターは「ラヴィット!」制作現場に対して、厳しいご意見も温かい応援の言葉も届け続けました。そしてあれから3年経ちますが、放送開始当初のような時事ニュースを取り扱わないことへの批判は届かなくなっています。

 それどころか当時コロナ禍で辛かった日々のなかで「ラヴィット!」の笑いが救いだったというご意見、苦しいことがあったとき「ラヴィット!」の存在に癒された、などのお礼の声が増えてきました。私たち視聴者センターでは「『ラヴィット!』のほっこりネタ」と呼んでいるのですが、日々社内用に発行しているご意見日報では定番になりつつあるほどです。

「気持ちが暗くなる事件や事故、コロナやその他の病気や政治への不信感を煽る番組が多い中、明るい話題しかしない『ラヴィット!』は、このご時世とても貴重な番組だと思います。お笑い芸人の方々の「人を笑顔にしたい」「今日も一日頑張ろうと思える番組を作ろう」という思いはしっかり視聴者に伝わっており、テレビはまだまだ捨てたものではないと思います(女性・40代)」

「『ラヴィット!』が開始された時、芸人が朝からワーワー言ってるうるさい番組が始まったなと思ってました(ごめんなさい)。でも、旦那は朝から『ラヴィット!』を必ず見て笑っています。そうか、朝から笑うためにあるのかと思い始めました。朝が来ることが怖い方や、家から出られない方が朝クスッとして一日なんとかやっていけそうな気になる、そんな番組であってほしいなと勝手に思っています(女性・30代)」

「二児の母です。二人目がコロナ禍で7年ぶりの妊娠、思うような生活を送れず漠然とした不安がある中、目にしたのが『ラヴィット!』でした。どこも新型コロナウイルスやら戦争やら、目を塞ぎたい内容のものばかりなうえ、産後久しぶりの赤ちゃんと外出もできない環境で気持ちが沈むこともありましたが、毎日『ラヴィット!』を楽しみに頑張れています(女性・30代)」

「5年前からリンパ性白血病で闘病していた息子が先日亡くなり、本日本葬にて空に旅立ちます。闘病中に朝の重苦しい空気を吹っ飛ばしてくれた『ラヴィット!』様に感謝を伝えたく連絡いたしました。これからも応援しています(女性・40代)」

 何か新しいことを始めるとき、視聴者センターには賛否様々なご意見が届きます。当たり前ですがコンテンツ作りに正解はありません。

 視聴者のご意見を現場に共有する際、視聴者センターとしてはいつも「こういう声もありますよ」という思いで全て現場に届けています。「こうするべきですよ」ではなく。視聴者のご意見による多数決で決まるものでも、決めるものでもないからです。ですが多種多様な視聴者の声は、作り手が知っておくべき大切な視点の数々です。

 視聴者センターでは、オンエアを見ながら“ああ、ここは視聴者の声を反映させたんだなあ”とか、“これ批判は多いけど粘ってやってるな”とか、にやりとすることもしばしば。

 現場からすると耳が痛いご意見も共有してくるのが視聴者センターなのかもしれませんが、オペレーター一同、現場をサポートしたい一心で日々業務に励んでいます。

<執筆者略歴>
菊 薫子(きく・かおるこ)
1967年生、1990年TBS入社
スポーツ局でスポーツ中継番組制作、宣伝部デジタル宣伝グループ、事業部では美術展覧会制作を経て現在カスタマーサクセス部長

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