視聴者の声~コロナ禍でテレビ局が求められるもの
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視聴者の声~コロナ禍でテレビ局が求められるもの

【収束の気配を見せないコロナ禍。視聴者がテレビ放送に求めるものは何か。そして、テレビ局はどう応えているか】

鈴木宏友(TBSテレビ視聴者サービス部)

新型コロナに関する様々なご意見

 引き続きコロナの話題に事欠きません。

「アクリル板に仕切られて着座スタイルの放送がとても新鮮でした。ただ、一部の出演者が立ち上がって叫んだりするシーンがありました。あれでは全く意味ありません」(50代女性)

「アッコにおまかせ!」には「いつまでスタジオで立ってしゃべるのだ」と批判が多く寄せられていました。制作陣がせっかく対応策を取ったのに画竜点睛を欠いてしまった、惜しい。

「出演者が『まんぼう、まんぼう』言っていましたがどういう意味ですか?」(60代男性)

 国会で「まん延防止重点措置」が議論され始めてすぐに多くの意見を頂きました。

「ただでさえ緩んできているなか、まん延防止等重点措置のことを『まんぼう』と言っているのに違和感を感じます。略語はやめませんか」(60代男性)

 メディアは言葉を短くしようとします。「まん延防止」が「まん防」になることはテレビや新聞を作る側の生理としてはごく当たり前の事なのですが、これも制作者が視聴者に寄り添えなかった事例ということになります。

春は視聴者センターも緊張する

「『グッとラック!』が好きだった。ゆるい雰囲気ながらも時事問題についてコメンテーターが色々な視点で発言していて朝見るのにちょうどよかった」(20代女性)

 春は番組のラインアップが大きく変わります。特に生放送のベルト番組が編成替えになるときは視聴者センターも身構えます。

「『ラヴィット!』、スタートしたばかりでパイロット的な部分もあろうかと思いますが、他局がワイドショーばかりなので期待してます」(40代男性)

 新番組はスタッフがとにかく忙しい。こんなとき危険情報が上手く現場に伝わらないと「炎上」しかねません。視聴者センターのベテランオペレーター達も少し緊張します。

 長寿番組の終了も話題になりました。

「『噂の東京マガジン』、地上波での放送は今日で終わりだって言ってたけど、BSの方にいっちゃうの?うちのテレビBSは見られないんだよ」(70代男性)

 無料のBS放送を視聴できない、今更ながらハッとさせられる意見でした。

ターゲットは未来の視聴者・小さな子

 TBSテレビは番組の成績表、個人視聴の重点ターゲットも変えました。その範囲はなんと4歳から49歳。筆者自身も圏外です。テレビをこの先も社会の重要なインフラとして経営していくためにはもっと「若い」否「小さな」未来の視聴者を見据える施策・編成方針が必要と判断したのです。

 そのため各局がしのぎを削る朝の情報番組、実は最大のライバルがEテレの「おかあさんといっしょ」という事態が発生しています。番組制作はこれまでの常識が本当に通じない世界に突入しました。

 自称テレビ屋の関口宏さんが自らのコラムでこう述べています。
「テレビから逃げてゆく若者を追いかけて、テレビを必要としている年配者を切り捨てる。どこか矛盾しているように思えてなりません」
(参照・独立メディア塾 https://mediajuku.com/article/188

 切り捨てるのではなく、まず逃げる方を追うと決めた挑戦だと理解しています。ただ、テレビにあまり時間は残されていませんが。

<執筆者略歴>
鈴木宏友(すずき・ひろとも)
1963年生。1987年筑波大学卒
同年東京放送入社。社会部、経済部記者、ニュース23チーフプロデューサー、デジタル編集部長を経て視聴者サービス部長

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