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視聴者の声

【コロナ禍のテレビ放送に対し、視聴者はどう反応し、テレビ局はどう応えたか。】

鈴木宏友(TBSテレビ視聴者サービス部)

 調査情報が紙からWEBに形態を変える。時代の要請なのだろう。放送業界やテレビの研究者の間での評価は高く目の付け所の良い雑誌だった。一般的にあまり手の届くところに置かれていなかったので、WEB化で読者層が広がる事を大いに期待したい。

視聴者意見はテレビ局内を駆け巡る

 せっかく読者層が変化する機会なので知っている人にはくどい話であるが、テレビ局の視聴者対応の取り組みを少しだけ紹介させていただきたい。
 TBS視聴者センターには電話やメールで多い日に1000件程の意見、感想が寄せられる。間違いや放送表現に問題があれば的確な指摘が瞬時に入る。生放送の場合は指摘を即座にサブ(副調整室)に伝え放送中に訂正や修正を行う。視聴者の皆さんからいただく情報は放送進行上の危機管理ツールとしても機能していて掛け値なしにありがたい。
 またメールや電話でいただいたご意見等は全て社内の掲示板(イントラネット)上に掲載し閲覧できる。その中から特に製作者にとって学びが多くフィードバックすべき情報を日毎に編集し「日報」という形でこれも局内で共有される。日報をまとめた「週報」は編成の会議の大切な資料となっている。
 「どうせその場限りで聞いているだけだろう」といわれることがままある。しかしそんな事は決してない。視聴者の想像以上に有益情報と認識されテレビ局内を駆けめぐっている。

コロナと視聴者と番組制作

 「私はサラリーマンなので現在コロナウイルスの影響でテレワーク中、『ひるおび!』を初めて見ました。我々サラリーマンこそ、このような綿密な情報を求めていると思うので、夜の時間帯も放送してほしいです」40代男性

 「体感としておじさんが増えてますね」電話を受けるオペレーターが言う。在宅ワークの増加からか意見を寄せる視聴者層にも変化が見られた。

 さてコロナ禍が続くなか寄せられた視聴者からの情報にテレビ制作はどのように対応したのであろう。

 「東京のコロナ感染状況が悪化している中アクリル板の設置もなく番組進行するんですか?見ていて凄く違和感で不快です。テレビはもっと模範にならないと」60代女性

 早い段階からスタジオ内にアクリル板が設置され始める。「アクリル板が汚い」といった意見まで寄せられた。

 「コロナの影響で大半がリモート出演している点は評価します。ロケもままならず番組を組み立てるのは大変だとおもいます」50代女性

 そしてアイコンタクトが取れない司会者は嫌だろうなと考えてしまう、モニター越しのリモート出演も普通になった。コロナの蔓延に視聴者はそれでも納得してもらえなかった。

「スタジオでもきちんとマスクをしてください」40代男性

 そんな意見が多く寄せられ始めたとき

「たけしさんと安住さんがマスク姿で登場しましたがとても衝撃的でした。二人のマスク姿は今まさにコロナ感染が拡大している危機感が伝わってきました。演出としてアリだと痛感しました」40代男性

 テレビが視聴者から「模範」を求められるとお尻がむず痒い感じもするが、視聴者との対話は世相を大きく反映する。番組制作に必須の作業である。

<執筆者略歴>
鈴木宏友(すずき・ひろとも)
1963年生。1987年筑波大学卒
同年東京放送入社。社会部、経済部記者、ニュース23チーフプロデューサー、デジタル編集部長を経て視聴者サービス部長




ありがとうございます。これからもより有益な情報発信に努めます。
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