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視聴者の声~SDGsへの意識のたかまり

【色覚の多様性への配慮を求める声、「地球を笑顔にするWEEK」への反響など、視聴者の方々のSDGsへの意識は高くなっている】

菊 薫子(TBSテレビ カスタマーサクセス部)

 カスタマーサクセス部 視聴者センターには、日に300から600のご意見が届きます。毎日そのご意見の中から15前後をピックアップし「日報」という形で社内に共有しています。

 ご意見を選ぶポイントとしては、同様の意見が多い声、意見数は少なくても学びや気づきになる声、時事ネタの反応として記録に残しておきたい声、コンテンツ制作に活かせそうな声など。全てのご意見に目を通し、抽出して掲載しています。

 11月の日報から、印象に残った声をいくつかご紹介します。

『日曜劇場「VIVANT」』
「我が家はずっとテレビがなく、ドラマは10年近く見ていませんでした。『VIVANT』が話題になっていたのでTVerで見始め、U-NEXTも登録して大正解!こんなにハマり、何度も繰り返し見るドラマは初めてです!X(旧Twitter)のアカウントまで作りフォローし、DVDも予約しました。是非、続編をよろしくお願いします。楽しみにしております」(女性30代)

 放送が終了し11月に入ってもVIVANT人気は衰えを知りません。関連イベントの感想や、映画化、続編への要望が日々届いています。

『THE TIME,』
「10⽉からテーマカラーが主に⻘⾊にまとまり、朝を感じることができ、良くなったと思います。時間も秒数の表示も従来より大きくわかりやすくなりました。シマエナガちゃんの時報も多すぎない程度で本当にうれしいです。コーナーの内容も非常にシンプルで、他局の番組よりも時間が変動せず、⺠放の中でも一番時計代わりになって見やすいと思います。これからも何十年も続く番組になるよう、制作チームの皆さんを応援しています」(女性40代)

 「THE TIME,」のスタッフは“リニューアル”ではなく番組をより良くしていくという意思のもと“ブラッシュアップ”という言葉にこだわり、番組の改編につとめたそうです。まさにスタッフの気持ちが伝わったかのようなこのご意見、とても喜んでいました。

『SMBC⽇本シリーズ2023第6戦「オリックス×阪神」』
「私は色覚の見分けがつきにくいので、右下に表示されるアウトカウントの赤色がわかりません。可能であれば、色弱の⼈への配慮をお願いします」(男性20代)

 色覚障がいのある方から、“色合い”に関する要望が目立つようになりました。色覚には多様性があり、この方は「赤」と「黒」の判別が難しい色覚であるため、野球中継でのスコアスーパー、黒地に赤丸で表示されるアウトの数を認識できないというのです。

 番組ロゴやテロップの「文字色」と「背景色」の組み合わせ方により、文字が読めないので配慮してほしいという要望も、10月改編期のリニューアルの際いくつか寄せられました。

 このようなご意見から、色による情報伝達は万人に共通するものではないという意識を持つこと、色覚障がいのある方は20人に1人と多く、ものづくりの際に必要な視点だということを社内で共有するきっかけとなりました。

 TBSでは11月5日から11日まで、この秋も「地球を笑顔にするWEEK」と銘打ち18の番組でSDGs関連を扱いました。

『news23』
「【地球を笑顔にするWEEK 2023秋・ペットショップの“未来形”? ⽝・猫との新たな出会い】動物を売らないペットショップが増えている話だけでなく、「動物の福祉」についても取り上げられ、とても感激しています。繁殖⽝、猫の末路、命が売買されることに⼼を痛めてきました。⽇本の動物の福祉は遅れています。視聴者に考える機会を与えてくれてありがとうございました」(女性50代)

『ひるおび』
「【地球を笑顔にするWEEK 2023秋・益田先⽣による課外授業 “環境DNA調査”に挑戦】京都大学 舞鶴⽔産実験所 海洋⽣物学者・益田玲爾教授の“海の異変”や“魚の異変”に気付くような「環境DNA調査」などの取り組みはすばらしく、すごく大切なことなので、若い人が見られる時間帯のいろいろな番組で放送してほしいです」(男性60代)

『東大王』
「【現役東大生200人が今注目しているSDGs】エネルギー問題の現状だけではなく、解決するために風⼒発電に取り組んでいることを知ることができて良かったです」(女性20代)

 このようなお褒めの言葉をいただく一方で、大食い企画や試食コーナーにはフードロスを指摘する声、情報番組では紙フリップを廃止するべきではという声、観覧客が女性のみだったバラエティ番組にはジェンダー平等を指摘する声、また番組での動物の扱い方などに対して愛護する方々から非常に厳しい指摘が来ることも。旧ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団、羽生結弦さんの離婚に関する報道に対してなど、人権問題に言及する声も増えています。視聴者のSDGsへの意識の高さを日々感じています。

『水曜⽇のダウンタウン』
「【犯⼈を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリめっちゃしんどい説 第2弾 完結編】最後は駆け足でしたが非常に面白かったです。キャスティングも含め、推理とバラエティが絶妙にマッチして名探偵津田の愚痴や助手のみなみかわさんの突っ込みも良かったです。探偵や助手を替えても面白そうです。続編に期待します」(性別不明50代)

 「水ダウ」はトガった企画が多いため、批判的なご意見が集まりがちな番組の一つです。ですがダイアン津田篤宏さんの「名探偵津田」第2弾には連日お褒めのご意見が届き、好意的意見が多かった番組として三日連続で「日報」に掲載されました。

 カスタマーサクセス部 視聴者センターの電話受付オペレーター業務は、社内研修に使ってもらっています。これからTBSを担っていく世代の社員に、視聴者の声を“直接”聞いてもらう機会を作っているのです。

 研修後は視聴者(カスタマー)というコンテンツの受け取り側の存在をより意識するようになるようです。受け取り側をイメージしながらものづくりをすること・情報発信をすることは、当たり前のようでも意外と抜けてしまっていることがあるのかもしれません。

 電話受付の研修で視聴者と実際に対話し、文字通り“生の声”を聞く経験をしたことで、その後「日報」を読んだときの感じ方が変わればいいなと思っています。〈視聴者〉というぼんやりとした集合体ではなく、その意見のひとつひとつにそれぞれの顔があるということを想像できるようになってくれたら。

 そして、そんな意識で作られたコンテンツこそが、カスタマーをサクセスに導いてくれるのだと信じています。

<執筆者略歴>
菊 薫子(きく・かおるこ)
1967年生、1990年TBS入社
スポーツ局でスポーツ中継番組制作、宣伝部デジタル宣伝グループ、事業部では美術展覧会制作を経て現在カスタマーサクセス部長

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chousa@tbs-mri.co.jp

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