視聴者の声~五輪とコロナ禍をめぐって
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視聴者の声~五輪とコロナ禍をめぐって

【コロナ禍の五輪開催にさまざまな声が・・・】

村田典子(TBSテレビ視聴者サービス部)

今夏、コロナの不安増すなかで視聴者の声は・・・

 7月、五輪が始まりメダル獲得者の明るい話題が各局を彩る。視聴者からは「昨日まではコロナ禍でのオリンピック開催を批判していたのに手のひら返しか」「ダブルスタンダードだ」「報道とは何かを考えさせられる」というようなご意見が届くようになる。陽性者が急増した日には、ニュース番組の冒頭がコロナ関連ではなく、五輪のメダル快挙の話題だったことにも批判の声が届いた。
 開幕前7月のJNN世論調査では五輪開催に「中止すべき」「延期すべき」が合わせて約3.5割。海外からの人の流入に緩和措置、五輪対応に病院・医療者がとられてしまうかも、バブルは完全なのか等不安要素も多く、ワクチン接種を進めるだけでなく、あらゆる角度から感染拡大を食い止める準備をしておかなければ五輪後に大変なことになるだろうと心配していた人は少なくなかった。
 そしていよいよ五輪開幕。
 「五輪関係者のパスを首から下げた人たちが街中で集まっています」都民は感染対策のバブルが早々にはじけていることに気づく。「どういう特権で出歩いているのでしょうか?」プレイブックを守らず自由に行動する海外からの訪問者の横で自宅待機を呼び掛けられてもその声は国民には響かない。
 8月、五輪閉幕。直後のJNN世論調査では五輪に関して「開催してよかった」「どちらかといえば開催してよかった」が合わせて約6割。コロナはというと、感染者は急速に増え、医療崩壊と言ってもいい状況が日本の各地で起こる。入院しなくてはならない人が救急車の中で待たされ、結局入院先が決まらず、自宅療養を余儀なくされる。
 「自宅療養と呼ぶのはおかしい。療養できていないのだから、自宅待機、自宅放置ではないですか」
 もはや番組に対するご意見という枠を越え、世の中に対する怒りや複雑な思いも多く届くようになる。
 「国や都が必要なものを用意してこなかったことにあきれる。もっとこのことを取り上げてほしい」
 五輪前、番組で紹介した委員会の医師たちが「PCRや抗体検査を拡大して無症状の感染者を特定することで感染を食い止めることが必要」と提言したこともあった。しかし、国や都から検査体制を大きく拡大したり、誰もが受けられるように安価にするという発表はなく、何よりもワクチン接種となる。
 「ワクチンをすすめられても私の住んでいるところではまだ接種できないんです」地域によっての差も歴然とある。「野戦病院という言い方はふさわしくないと思いますが、専門病院は必要です」「イベント会社に勤めているのですが、やる気になれば会場の設置なんて数日でできます」
 そんななか、ロケに行く私たちにも「テレビも今はロケを自粛すべきではないですか?」「もっとしっかり感染対策をしてほしい」という声が届く。私たちは様々な声を真摯に受け止め、より厳しいルールで感染対策をしっかり行いながら、こんな時だからこそ届けるべきこともあると心して放送を出し続けていく。
 「訪問ドクターの実態を知り、医療現場のひっ迫感や医療崩壊の現状がとてもよくわかった」「医師の姿を見て、私たちも自分で出来る感染対策をしっかりしなければと思いました」こんな声には救われる。
 8月後半、子どもたちに感染が広がっていることに親は勿論、先生も学校も心配なことが山積みだ。「無観客が決まったのに子どもたちがパラリンピックを見学なんてなぜ、信じられない」
 視聴者から届く要望やご意見はいつも耳を傾けるべき世の中の生の声だ。

<執筆者略歴>
村田典子(むらた・のりこ)
1965年生、1989年TBS入社、ラジオニュース、ラジオ制作、情報番組プロデューサー、宣伝部長などを経て現在、視聴者サービス部長

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