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視聴者の声〜コロナの中でのオリンピック

【東京オリンピック開催に向けて、賛否双方の視聴者の声】

鈴木宏友(TBSテレビ視聴者サービス部)

新型コロナ、オリンピック開催に関するご意見

「マスコミが進んで上級国民なんて言葉を使わないでほしい」50代男性

 ワクチン接種を特別のコネクションを使って行おうとした資産家が取りざたされたのもずいぶん昔のような気がする。

「上級国民という単語を利用して差別を誇張し社会混乱を楽しんでいるように見えます」60代男性

 3度目の緊急事態宣言が解除されTBS視聴者センターも6月21日から視聴者意見の電話対応を再開しました。「わー、元気だった」オペレータ達も久しぶりの出社。夏休み明けの中学校の教室の様です。自宅待機に飽き飽きした様子に社会全体のコロナ疲れが想像できます。

「スポーツの持っている希望やスポーツが与える感動を否定しないでください」50代男性

 寄せられる意見はオリンピックの賛否とワクチンが目立ちます。

 6月に入り政府の肝いりで「急ピッチ」で進むワクチン接種。それ自体は大変良い事なのでしょうが「遅刻した人」は大抵大きな足音を立て息を切らし走ってやってきて大声でアピールします。

 ワクチン接種の効果なのか一時、8割がオリンピックに後ろ向きな調査結果がじりじりと開催に振れ始めています。パンデミック下にオリンピックが開催されようとしています。

「新聞がスポンサーの為コロナ禍でも忖度した報道しか出来ないなら、五輪禍でマスコミの沈黙は共犯だ」30代女性

 新聞が五輪スポンサーでとやかく言われるのと同様、テレビのダブルスタンダードも見透かされています。

「開催されればテレビで放送するのでしょう」50代男性

 情報番組の司会者が地元に帰り聖火リレーに参加した。

「感染を抑制する報道をしながら、司会者が聖火リレーを走り 感染が広がるかもしれない様な事に加担するのは矛盾していると思います。悩んだ上での参加との事でしたが今後は見たくなくなりました」40代女性

 番組側も予想していたようだが激しい意見が殺到した。

「(職場接種)圧倒的に多い中小企業はどうするのか」70代男性

 ワクチンの職場での接種が始まった。多くの人が接種できるようになれば打たない選択を考えている人々を不安にさせる。

「多くの希望者が接種出来る事は喜ばしい事です、しかし職場での接種が始まれば、接種しない人に叱責や説得、部署異動や解雇などにも発展しかねません」 50代女性

 確かに開催したから感染が拡大するとは限らない。しかし拡大しない保証もない。まさに分の悪い「賭け」。そんな不確実な政治的判断に人命がベットされるのか。

「今年初めコロナで祖母が亡くなり、父も重症化し、姉も自分も軽症ながら感染しました。どこで感染したかわかりませんが、私や姉が部活で大会や試合していなければ、とふと思うことがあります。高校では一切の他校試合や大会の出場を見合わせています。確かに選手は辛いです、しかし、スポーツ大会に家族や友人の命を懸けるものではないと思います」10代女性

 コロナで家族を失った方々の声は重い。オリンピックの後には衆院選挙が控えている。

<執筆者略歴>
鈴木宏友(すずき・ひろとも)
1963年生。1987年筑波大学卒
同年東京放送入社。社会部、経済部記者、
ニュース23チーフプロデユーサー
デジタル編集部長を経て視聴者サービス部長

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